
ミクロ技研の精密加工技術とアルスのハサミ
2025.2.10

伊東大輔
有限会社ミクロ技研 代表取締役
精密ワイヤーカット加工を行う企業を経営。あらゆる分野の企業から持ち込まれる無理難題に技術と経験を駆使して立ち向かうチャレンジエンジニア。
「ミクロン単位での部品試作や金型修正などを請け負っています。他で断られたという企業様からよく相談を受けますが、その方が燃えますね(笑)。小さな部品一つが製品開発のブレイクスルーになることも多々ありますので、それを自分の手で実現できるのがこの仕事の楽しさです。」

ミクロ技研の加工部品サンプル。超精密な加工が可能なワイヤー放電カットにより、医療、自動車、家庭用品など様々な分野の部品試作/製作/修正などを請け負う。

イオンを取り除いた絶縁水のプールの中で、ワイヤーと部品となる金属に電流を流してカットするワイヤー放電加工。レーザーではできないミクロン単位のカットが可能。
「精密部品は企業機密の多い分野です。様々な企業様から部品試作の依頼を受けますが、何に使われる部品を加工しているのか知らずに作業していることもよくあります。」

真鍮製のワイヤーは加工のたびに新しいものが使用されるためその都度カットする。
「切れ味の悪いハサミで切るとワイヤーの断面が潰れ、0.005ミリしか無いノズルに入りにくくなります。切れ味の変わらないこのハサミは重宝しています。」
クラフトチョキ(電工・金工・工場内作業)KG-330H-BK



工場の奥には先代の社長が制作した機関車がある。本物の蒸気機関を搭載したSLは仕事の合間に数年がかりで完成させた。「父は大手カメラメーカーのシャッターを制作する会社で金型のエンジニアをやっていました。自宅のガレージで起業し、そのうち私も手伝うようになりました。」

クラフトチョキ(電工・金工・工場内作業)KG-330H-BK
「こういった切り出しの作業は、裁断機で切ると断面が荒れるのでハサミを使っています。」

「アルスのハサミを使うとこのように断面を綺麗に仕上げることができます。」

ワイヤーカットで切り抜かれた文字

手で押し込むと継ぎ目が全くわからなくなる

ワイヤーカットの精密さを物語る超絶加工だ

工場にはもう一つ、長年使ってきたアルスのハサミがあった。
「このクラフトチョキも現役なんですよ。切れ味もあまり変わりませんね。」
*グリップをリニューアルする以前のクラフトチョキ(2013年)。刃はクラフトチョキ(電工・金工・工場内作業)KG-330H-BKやクラフトチョキ330HNと同一です。