植物に尊敬の念が湧いてくるほど観察しないと表現できない。小紙陽子さんのペーパークイリング

2016.7.1

お正月の広告の背景用に制作した作品「牡丹と梅」

小紙陽子  Yoko Kogami

1976年千葉県生まれ。グラフィックデザイナー ペーパーアーティスト
ボタニカルクイリング・ジャパンクリエイティブアドバイザー

著書
細長い紙をクルクル巻いて作る ペーパークイリング
紙で楽しむ小さな手作り ペーパークイリング

HP 小紙クラフト

彼女の作る作品は企業の広告や本のカバーデザインなどに多く採用されている。紙の植物たちは、本物と見紛うほどのリアルなものもあれば、モチーフが持つ特徴的なラインだけを残して背景に溶け込むものもある。「私はデザイナーですから、作品が果たす役割が重要なんです。作品そのものに思い入れはありません。」とサラリと言い切る。穏やかな風貌からは想像できないが、作品作りにおいてはどこまでもストイック。「植物を作るなら、その植物に尊敬の念が湧いてくるほど観察することが必要です。そのくらいまで気持ちが入らないと、モチーフの特徴を紙で表現することはできません。」

使用するクイリングペーパーは自ら切り出し、染料系のマーカーで染色する。

「グラフィックデザイナーとして植物関連の印刷物をデザインしてきたことが作品に活きています。」

友人のガーデナーが制作した草木のリースを紙で再現した作品

年賀状用に紙のみで制作したミニおせち

「ハサミを動かさず、紙を動かすのがコツです 。」

彼女の本でペーパークイリングを知った人は多い。

資生堂の手帳に採用された作品

こちらは角川文庫の表紙デザインを手がけたもの

カレンダー用に制作した作品

kogamiyoko_paperquilling

いつでも使えるように紙はストックされている

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愛用の道具

紙の色見本は欠かせない道具

自作のカラーサンプラー。平面と立体で色の見え方が違うので両方作っている

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