人の気持ちに寄り添う宮﨑いずみさんの教会装花
2019.8.29
宮﨑 いずみ Izumi Miyazaki
フラワーデザイナー/教会装花コーディネーター
マナンティアル フラワースクール主催
英国 Jane Packer London School of Flowers および Design of Britain にて学ぶ。帰国後は都内百貨店やホテルオークラなどの生花店に勤務。日本でも活躍する著名なオランダ人フラワーデザイナーのエドウィン R.モレナール氏の専属アシスタントをを努めた経歴を持つ。
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キリスト教会の牧師を父にもち、幼少期を北海道の教会で過ごしたという宮﨑さん。現在は主催するスクールでのレッスンの傍ら、教会装花を手がける教会装花コーディネーターとしても活躍。担当するウェディングでは、教会と披露宴会場の装花、ブーケ、髪飾り、コサージュの制作などを手掛け、式当日は花嫁にウェディングブーケの持ち方を伝え、父親の胸にコーサジュをつけてヴァージンロードへと送り出す。
「ヴァージンロードを歩き出す直前の親子にはいつもそれぞれのドラマがあります。とてもやりがいのある仕事です。」
季節花のスパイラルブーケ
「秋色のシンフォニーといったイメージで、響きあう色の花を束ねました。」
撮影当日は天気がよく、急遽アトリエのお庭でブーケを作っていただくことになった。
イギリスでジェーン・パッカー氏に師事した後、都内の有名ホテルのフラワーショップなどに勤務した。
「帰国当時はまだヨーロッパスタイルが浸透していなかったので、卓花に小さな林檎を添えたら、花のアレンジに食べ物を入れるなと上司に怒られました(笑)」
アトリエにはジェーン・パッカー氏からのメッセージが書き込まれた思い出の書籍がおかれていた。
「上手に作れず行き詰っているときジェーンは “デザイナーには器用で作ることが得意な人もいるし、不器用でも発想力のある人の両方がいるから心配ないよ”と言って励ましてくれました。」
業務用花はさみフルールでブーケの茎を揃える。
「このハサミはグリップがしっかり手になじんで力が入れやすく作業しやすいですね。」
フローナ直刃で薔薇の葉をカット。ナイフは直刃が好み。
「二色どりでかわいく、切れ味抜群です。」
「教会でのブライダルや告別式の仕事も多いので、身につける物や道具の色には気を使います。iDチョキは好きな色を選べるのが良いですね。クラフトチョキとはもう20年以上の付き合いです。キャップがあって、使う人のことを気遣っていただいている気がして嬉しいですね。刃先が程よい細長さで、細かい作業の時、切る以外の(例えばピンセットのような)使い方もしています。」
アトリエの壁には当日のレッスンで使用する花材が書かれる。
アトリエは画家だったお祖父様のアトリエの一角を引き継いで使っている。
胸元にはお母様から譲り受けたクロスがいつも輝いている。
「両親はよく『花をたのんでくれるお客さんの気持ちにいつも寄り添ってね。』とアドバイスしてくれました。“喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい”という聖書の一節からそう言っていたのだと思います。今でも私の仕事をする上でのモットーです。」
使い込まれたクラフトチョキ。
「大きな会場の装花では花材に埋もれてハサミが見つからなくなってしまうので、目立つ色の物を使っています。」
愛用の道具
左から「フローナ直刃」「業務用花はさみフルール」「iD Choki」
*iDチョキのグリップはホワイトとブラック。ブレードはクラフト。教室名のManantialをレーザー刻印。